前回は「近さよりもお話を聞いてみて信頼できそうな不動産屋に協力してもらうのがよいでしょう。」と書きました。どのような不動産屋が信頼できるのでしょう。
信頼できる不動産屋とは依頼主の立場に立ってくれるということでしょう。逆に言えば依頼主にフィットする物件より不動産屋が売りやすいまたは売りたい物件ばかりすすめる不動産屋ではないということになるでしょう。では不動産屋が売りやすいまたは売りたい物件と思う物件はどういうものでしょう。
不動産屋は物件の売買の仲介手数料が収入となります。仲介手数料は上限が決まっており、その額は物件の価格によって決まります。つまり販売価格が高い物件のほうが儲けが多いことになります。価格が3億円だろうと3千万円だろうと300万円だろうとかかる労力は変わりません。同じ仕事量なら高い価格の物件を仲介したくなりますよね。
団地を買ってリノベーションするつもりで物件を探す場合、できるだけ工事費にお金を掛けたいですから物件価格は抑えたいところです。自由に設計したいでしょうから改装されている必要はありません。一方、不動産屋としてはリノベーション済みの方が高く売れるのでそちらを進めてくる場合があります。すぐ住めるメリットはありますが自分の暮らし方に合うように自由に設計したいという意図からは外れてきます。その点、依頼主のその意図を無視するかのようにリノベーション済みをすすめてくる不動産屋はちょっとどうかなと思います。これは信頼できるかどうかというより、気が合うかどうかということかもしれませんね。信頼性の基準として一つ意識しておくとよいでしょう。